2016年8月21日日曜日

MSDN Doc 上の Fonts for UWP Apps の説明が少し変わった

タイトルが全てなのですが…
今迄は、

Guidelines for fonts
https://msdn.microsoft.com/en-us/library/windows/apps/hh700394.aspx

こちらに
  • UWP Appでの各国語フォントの扱い、既定のフォント
  • XAML Style一覧
  • それに伴うFont Ramp (サイズ一覧)
等がまとまっていたのですが、2016年8月下旬に見てみると以下三つに分割されたようです。


Fonts for UWP Apps
https://msdn.microsoft.com/windows/uwp/style/fonts

Typography
https://msdn.microsoft.com/en-us/windows/uwp/style/typography

XAML theme resources
https://msdn.microsoft.com/windows/uwp/controls-and-patterns/xaml-theme-resources

言ってる事は大体同じ、3Pに分かれてより詳しい記述になっています。

UWP App書く人への注意点としては… XAMLの中でFontsizeを直指定、はあんまり上品では無く、
  • なるべく既定のStyleを使う…XAML theme resources にStyle一覧が出ています。
  • アプリ中の地の文(本文)のサイズはBody/Baseに合わせておくのが一番いいです。自分の好みでみつしり字を詰めても良いこと無いです(Webページで変に文字小さく指定してる微妙な奴、あれです)。ここから外したい人はフォントサイズ変更の仕組みを作るのがお勧めです。


◇◇◇


(余談)
一点気になるのは…以前のGuidelines for fonts では囲み記事になっていた注意点

「この一覧以外のフォントをアプリで使用する場合、フォントの自動ダウンロードが発生する場合がある。これはデータプラン等で通信量に制限のあるモバイルデバイスでは特に問題となる可能性がある。モバイルデバイスで動作するUWP アプリはこのリスト以外のフォントを使用すべきでは無い。

この記述が新しいドキュメントでは消えているようです。どういうことなんでしょうね?
言われなくてもそりゃそうだろう、とは思うのですが、Win10M でフォントの自動ダウンロードの実例を見た事は無かったな…というのもあり、若干もにょっとした感じが残ります。


…Desktop のWindows OS 的には、この手の話はざっくり言うと以下の通りで、

  • Windows XPまで…欧州系フォントは全言語OSにInstall、東アジアグループ(日本語・中国語・ハングルなど)はその言語のOSにInstallされ、東アジア以外のOSで東アジア言語を使いたい人は東アジアフォントパックをインストール このため、英語・その他欧州言語バージョンのXPでは日本語・中国語などは全部豆腐か文字化けで全く見えないことが多かったです。
  • Vista以降…全言語Versionで全言語フォントが既定でインストール ここ以降、どの言語OSでも文字化け無く表示できるようになりました。また、アプリのUnicode Build化、WebPageのUTF-8化が進んでいったという背景もあります。
※PreloadやEmbedded系で入っているフォントを調整する例はあったと思います

ただMobile…Windows Phone系はどうだったんだろう?僕は良く知らないです。ただWP8.1系でも既に、XP的なフォント入ってない系の話はあんまり無かったような気がします。














2016年8月2日火曜日

Windows 10 Mobile と 緊急地震速報・防災情報

Windows Phone 8.1 とWindows 10 Mobile(以降Win10M) は、OSの機能として緊急地震速報に対応しているが、既定の設定はOFF…ONにしたい場合は電話メーカーが各自行う必要がある、事が知られています。

ただ、実際に緊急地震速報が発報される事は少ないため、どういう動作になるか知見はそれほど溜まってはいなかったように思います。

今年に入り、緊急地震速報・防災情報それぞれ受信・受信失敗する機会がありましたので、この機会に…

  • Win10M で緊急地震速報を受信できた機種まとめ
  • 受信するとどんな画面が出るのか
  • 自治体の防災情報を受信できるのか
  • 実際に訓練で確認してみよう
という内容で記事を書いてみました。


緊急地震速報


2016年5月16日夜、関東地方で地震がありました。
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/Event.php?ID=9902422

2016年5月16日の地震

この地震では緊急地震速報が発報されました。

人口の多い首都圏、また多くの人が活動している夜9時過ぎという事もあり、Win10M 機で速報を受信した・しなかった旨のTweetが多く見られました。
Tweetを検索し、日本国内で販売されているWin10M各機種ごとに調べてみたのが以下の結果です。

  • 緊急地震速報を受信した… MCJ Madosma Q501, VAIO Phone Biz
  • 緊急地震速報を受信しなかった… NuAns NEO, FREETEL KATANA01, FREETEL KATANA02, Yamada Everyphone
  • 未確認… Geanee WPJ40-10, Diginnos Mobile DG-W10M

(未確認…地震直後にETWS受信した・しなかった等のツイートを確認できなかった)

前述のようにWin10MはOSとしてはサポート、ただし既定はOFFです。Madosma Q501とVAIO Phone Biz は設定でONにされており、その他の機種は既定のままOFF、であったものと思われます。

受信時の様子


私は当時川崎の自宅におり、電話(MADOSMA)はACに繋いだロック状態、画面は消灯、マナーモードには入れておらず着信音量は5/10程度だったと記憶しています。
地震が始まり、あれ少し大きいなと感じた頃にMADOSMAの画面が点灯し、バイブレーションが始まりました(正確な前後関係は自信が無いです)。


受信時のスクリーンショット


  • 画面表示 ポップアップ上に地震アイコンとエリアメール文面
  • バイブレーション 強いバイブレーションが長く続く
  • 音 「プーーーーープーーーー」という断続的な長いブザー音(家電話の受話器を上げた時のような音)が続く 音量は通知音量程度

音については、「マナーモードにしていると鳴らなかった」というツイートを複数確認できました。設定した着信音量そのままで鳴っていたものと思われます。

モードに関わらず全力全開でぎょわっぎょわっと鳴動する、いわゆるガラケーの緊急地震速報とはかなり様子が異なります。


防災情報



2016年8月2日、関東地方で局所的な豪雨・雷が発生しました。私の住んでいる川崎でも深夜に物凄い音の雷が何度も落ち、大雨が降りました。

午前9時頃、私は川崎市内の電車(東急田園都市線)に乗っていたのですが、突然回りの乗客の携帯電話が鳴動を始めました。緊急地震速報とは別のメロディ音でした。
この時、私が持っているMADOSMA は速報の類を受信した様子はありませんでした。

後で確認すると、自治体(川崎市)が発信する防災情報のエリアメールでした。



この豪雨は局所的だったこともあり、Twitter等で他のWin10M 機種の動作を確認することは出来ませんでした。


国が出す緊急地震速報と 地方自治体が出す防災情報


詳しくはIIJさんの資料をご確認頂きたいのですが、

IIJmioのSIMで緊急地震速報は受信できる?

IIJmio meeting 12 災害とMVNO (ETWS動作検証)


ざっくりまとめると…

  • Win10M で多く使われる 所謂MVNO SIM 自体は、緊急地震速報・防災情報を受信する能力がある
  • ただ、実際に表示できるかどうかは電話の実装による
  • 「緊急地震速報・防災情報」と呼んでいるのは、気象庁管理の地震・津波速報と、地方自治体管理の災害・避難(水害等)の二種類がある
  • iPhone 系は両方受信可能 SIMフリーアンドロイドは前者受信可能・後者受信不可能、な場合が多い

そして、今年に入ってからの上二つの経験からすると、Win10M の実装は「SIMフリーアンドロイド」と同じ系統であるように思われます。

つまり、
  • 緊急地震速報…電話メーカーがONにしていれば受信可能
  • 自治体エリアメール…受信不可?

ではないか?と思われます(自治体エリアメールについては受信不可のサンプル数が少ないため断言しづらい所があります…)。


お手持ちのWindows 10 Mobile が対応しているかどうか確認するには


メーカーに聞いてみる

電話メーカーさんは知っている(はず)ですので、聞いてみるのが結局は一番早いかもしれません。
Win10Mの場合、On/Offどちらに設定されているかをシステムから読み取る手段は…私は知らないです。私の理解では、普通のユーザーアプリレベルからは触れないと思います。


訓練で確認する


全国の自治体で防災訓練が行われています。この時にエリアメールの受信確認が可能かもしれません。

ただし、「緊急地震速報の訓練」とあっても、確認してみると自治体の防災無線でサイレンを鳴らすのみ、という場合が多く、実際に携帯にエリアメールを発信する訓練は少ないようです。
例えば、気象庁では年1回、11月5日「津波防災の日」に緊急地震速報の訓練を行うのですが、この訓練ではエリアメール発信は行われません。

※エリアメール発報訓練はその仕組み的に、電源OFF以外に「訓練をパス」する手段が無く、確実に携帯が鳴動しますので(そういう作りだから仕方ない)、それはそれで社会への負担も少し大きいかな、という所があります。

また、上でも触れましたが、これらの訓練では自治体のシステムでエリアメールを発報するため、気象庁管理の「緊急地震速報」とは結果が異なるものと思われます。


2016年 エリアメール発信を伴う訓練

※Web検索で目についたものをピックアップしました。

入間市防災訓練(埼玉県)2016年8月21日(日曜日)http://www.city.iruma.saitama.jp/bousai/bousai_list/bousaikunren.html
記述から見るに、おそらく自治体発信のエリアメールと思われます。
当日の午前9時15分、入間市内にいれば受信できるはずです。

静岡県 12月頃?
去年の訓練情報のままで、今年の日にちが判らないです(自治体のHPはこの手のが多いです…)

大阪880万人訓練(大阪府)2016年9月5日(月曜日)http://www.pref.osaka.lg.jp/shobobosai/trainig_top/
規模は圧倒的ですね… メール発信は午前11時となっています。

17万人市民まるごと防災訓練(愛知県西尾市) 11月頃?
去年の訓練情報のままで、今年の日にちが判らないです