2014年12月24日水曜日

Uservoice を個人開発で使う(その2)

この記事はUservoice を個人開発で使う(その1)の続きです。

料金プラン


無料から$100/月まで幾つかあります。

Pricing | Uservoice

ここでは無料プランのみ触れます…というか、無料だと出来ない事を挙げたほうが分かり良いですかね。
  • 複数アカウント……サポートメンバーが複数居る場合は必須な所です。無料は一人だけ。
  • フォーラムの数……製品の数だけ必要ですね。無料は一つだけ。
  • 画像アップロード……投稿に画像を添付する機能。バグ報告等にはこれあると超便利ですが、無料は無し。
  • ドメインのエイリアス……無料の場合は○○.uservoice.com で固定です。
  • 国際化対応……高いプランだとブラウザの言語に合わせたUIで表示されるようです。無料では管理者の設定した言語で表示されます。
「一人で開発から意見受付まで全部行う個人開発」で「扱う製品(アプリ)が一つだけ」ならば、無料プランでもある程度回せるのではと思います。
PICT8 は無料プランを使っています。

Uservoice での作業フロー


提案は「状態」で管理されます。

状態を変更している様子

Open


  • (No status) ……状態無し状態。手つかず、未読状態です
  • Under review ……提案を受けて実装しようかなどうしようかなと考え中です
  • planned ……リリース○○に実装することを決めました
  • started ……作業を開始しました

Closed


  • Completed ……作業完了しました
  • declined ……提案を受け入れません

メインの状態は「Open」「Closed」二種類だけ。
状態がClosedになるとその提案は「終わり」、コメント追加等はできなくなります。
(このあたりの様子はやはりVSO とは随分違いますね。)

このUservoice のフローを、適宜ご自分の環境の作業手順に合わせて使っていく形になるかと思います。
そのまま使うとして、各状態での作業の例を下に挙げます。

1. No status


投稿された提案が店晒しになっている状態。これが長く続くのはあまり宜しく無い。

2. Under review


提案なら、
  • それが製品像に適しているか
  • 実装可能か
  • 実装する価値があるか
  • 実装するリソース(人手、時間等)があるか
どうかを考える。提案について疑問があるならコメントで聞いてみる。実装するなら、この先どのバージョンで実装可能か考える。

バグ報告なら、
再現を試みる。出来なければユーザーに詳しい再現方法を聞いてみる。問題の深刻さを評価する。どのバージョンで直すか考える。

どうするか決めました!Version○○でやります!と言えるようになったら、状態をPlanned に変更する。

これ無理です、問題再現できません、この機能は必要無いです等、これ以上作業進めないという決定になったらば、ClosedのCompleted 又は Declined に変更する。

3. Planned


計画に入ってますよ状態。
作業を始めたら、状態をStarted に変更する。

4. Started


作業を開始しました状態。
頑張って処理を行う。
終わったら、Completed 完了 / Declined 差し戻し、拒否 のどちらかに状態を変更して終了。


PICT8 での作業


その1 でも触れましたが、開発でのソース・工程管理にはVisual Studio Online を使っています。

このため、ワークフローとしては
  1. Uservoice 上で 提案・報告アイテムが発生する
  2. (人力で)VSO にタスク・バグとして入力する
  3. (作業中)
  4. 終わったらUservoiceに(人力で)反映

と、人力でUservoice と VSO を同期させています。
Uservoice で発生した提案をそのままVSO のBacklog Itemとして転送する機能もありますが、それはそれで管理が大変そうなので使っていません。
現状の量だと人力転送で充分な感じです。

何が嬉しいのか


以上の作業、メモやExcel でも別にいいんじゃん?と思われるかもしれません。
が、一発ネタ(ごみ出しカレンダーのような)ならともかく、ある程度の機能を持ったアプリケーション開発を徒手空拳で進めるのはとても効率が悪いです。

「効率が悪い」とは何でしょう。メモから今必要な作業を抜きだし、重要度で並べ替え、わからない事があったら発案者に尋ね、終わったらそれを通知し又メモを更新する。現在の作業状態を知るためにメモからExcel に移して自分でグラフを描く。そういう作業を手順を考えながら人力で行うという事です。

僕の手に余る偉そうな事を言いますが、
コードや言語、コンパイラだけがソフトウェア工学という訳では無く、予定通りに作業をこなすための手順、技術もまたこの数十年積み上がってきたソフトウェア工学です。今我々が安価に、又は無料で使えるUservoice や Visual Studio Online のようなソフトウェアはそういった積み上げの先端にある「良く出来た」製品です。

それら製品を使うと、「考えながら人力」では無く、今までの積み上げで分かっている「良く出来た」方法にマウスで突っつくだけで乗っかることができます。夜、家に帰ってきたら管理コンソールを開き、今日やるべき作業を重要度順に確認し、直ぐに作業に移ることが出来ます。
簡単な上に便利、最高じゃないですかと。

長くなってしまった。終わります。

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