2017年10月23日月曜日

F10 今後の Windows 10 Mobile への対応について

(2017年11月追記…後で気づいたのですが、16299向けのビルドはそもそも15xxxで止まっているWin10Mには入りませんでした。結果は変わりませんが、実は選択肢があるわけでも無かったという話でした。)

F10 v1.5.x (Fall Creators Update 向け) から、Windows 10 Mobile への展開を終了する事にしました。
今後は以下のようになります。


F10 のバージョン
Win10 のバージョン
展開対象の Win10 デバイスファミリ *1
更新する?
1.5 (11月頃リリース予定)
Fall Creators Update (Fall CU)or later
PC, Xbox
更新
1.4 *2
Creators Update (CU)
PC, Mobile, Xbox
更新
1.3
Anniversary Update (AU)
PC, Mobile, Xbox
更新停止
1.2
November Update
PC, Mobile
更新停止
1.1
(Win10 GM)
PC, Mobile
更新停止


*1) その他HoloLens, Surface Hub等でも動きますが省略
*2) 1.5がストアに載るまでは 1.4が Fall CUでも使われます


F10では、おおよそ「現行+ひとつ前」の二バージョンを維持する形で更新しています。これまでの経験上、Win10 の新しいバージョンが出た時点で「そのひとつ前」の使用率が9割を超えていることが判っているためです。例えば今回の場合、使用率はCUが既に9割を超えています。残りがFall CU、次がAUで数%です。

この二つの内、新しいほうのv1.5, Fall CU向けF10からWin10 Mobile への展開を外します。
理由は大きく分けて二つあります。


1. Win10 Mobile の Fall CU は、F10がアプリとして対応する意味があまり無い


CU の頃から顕著になっているのですが、Win10 Mobile に対しては OS Core の更新は行われるものの、機能・UI等ユーザーの目に触れる部分での新機能は展開されない・されても実質あまり意味が無いことが多くなっています*3。このため、アプリ側でも改めて「対応」する意味が薄くなっています。

「対応する意味が無い」とはどういう事なのか、F10 での例で説明します。今回のFall CU に対して F10 に入れる予定の変更は主に以下二つです。

  1. Fluent Design 対応
  2. App Model の更新 - Commandline Support, その他

Fluent Design 自体はWin10 Mobile でも使う事ができます。
しかし、Mobile がタッチ操作であるのに対し、Fluent Designの要素であるReveal Effect はマウス操作が前提として作られているため、Mobileでは使いようがありません。また、Acrylic Effect、半透明のアクリル板のような効果も、アプリの裏に背景画像の無いMobile では効果がありません(アプリ内で透かすことは出来るにしても)。
コマンドライン もMobileでは用がありません。

つまり、「 Fall CU向けF10」をWin10 Mobile で動かしたとしても、その機能・操作感は現行の「CU向けF10」とほぼそのまま変わらないという事になります。そして今後Win10 Mobile 自体に大きな更新が望めない以上、この傾向は変わらないでしょう。

これらの事から、Win10 Mobile に対しては既に存在する「CU向けF10」で充分であると考えています。

*3) Coreの部分では.NET Standard 2.0対応等大規模な更新がMobileでも行われています。ただF10では特に使う予定が無いです。


2. 自分でWin10 Mobile 機を使っていない事による弊害


そうは言っても、現在のコードベースでもリリースすればWin10 Mobileでおそらく動くことは動くはずです。UWP ですから。今迄通りWin10 Mobile 向けにリリースを続けるという選択肢もあります。

ただ個人的には既にWin10 Mobile 機の普段使いを止めているので…テストは以前に比べどうしても甘くなっています。動かないものをうっかりMobile向けにお出ししてしまう可能性は急激に上がっています。
現在の「動作実績のある」CU向けF10 を使っていただいた方が安全です。